コンテンツメディアの買収劇
米メディア大手パラマウント・スカイダンスは今月8日、ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)に対して買収提案すると発表しました。提案額は1084億ドル相当(16兆円規模)ですから、日本の2025年度国家予算のおよそ14%にあたります。ワーナーを巡っては5日に米動画配信大手のネットフリックスが720億ドルで買収契約を結んだと発表しており、それに対抗する形です。そもそもパラマウントはワーナー入札に参加していて、ネットフリックスに競り負け、現金でワーナーの普通株式を1株あたり30ドルで買い取ると発表しました。ネットフリックスは現金と株式で27.75ドルで買い取ると提案していましたが、これを上回った金額です。
パラマウントの提案は映画などを制作するスタジオ事業や動画配信、報道の米CNNなど全事業を対象としていますが、ネットフリックスの提案は報道部門の分離を前提で、買収対象に含んでいません。アーカイブのコンテンツとしては、ネットフリックスの事業では不向きと捉えているのでしょう。
パラマウントのCEOのデビット・エリソン氏は米オラクル会長のラリー・エリソン氏の息子で、両氏はトランプ米大統領と関係が近いと言われています。パラマウントが提案する買収資金には、株主であるエリソン家に加え、トランプ氏の義理の息子であるジャレッド・クシュナー氏が運営する米投資会社アフィニティ・パートナーズや、中東のサウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ、カタールの政府系ファンドなどからの調達が含まれています。もっともトランプ大統領は7日、ネットフリックスによるワーナー買収について「市場シェアが問題になる可能性がある」と話し、米政権が介入する方針を明らかにしていますが、行く末が気になるところです。

