中国のAI研究の脅威

米人工知能(AI)の急成長のアンソロピックは、「中国のAI開発をリードする3社が蒸留と呼ばれる不正な手法でアンソロピックのAIモデルから出力を転用し、自社製品の能力を高度化した」と述べたと、報道されました。アンソロピックの競合であるOpenAIも今月、DeepSeekがチャットボット「R1」の次世代版を訓練するため、OpenAIなど米国の有力AIモデルから成果を抽出する不正かつ巧妙な手法を用いていると警告を発しています。中国企業による不正疑惑に神経を尖(とが)らせる米国ですが、こうした米中対立構造の中で、中国AIが急成長しているのは間違いありません。今朝のテレビ東京「モーニングサテライト」でも、中国の”AIドクター”が紹介されていましたが、何故こんなに強いのか調べてみると、巨大なAI戦略が浮かび上がってきます。

➀他国を圧倒するデータ環境
「データは21世紀の石油」とも呼ばれるように、AI開発の競争優位性を決定づける最も重要な資源であり、ディープラーニングの性能は、学習に用いるデータの「質」と「量」に大きく依存します。中国はこの点で他国を圧倒する環境を持っています。

➁政府主導の強力な国家戦略
2017年7月に国務院が発表したAI国家戦略「新一代人工智能発展計画」があります。2030年までにAI分野で世界をリードする「イノベーションセンター」となることを目指す、壮大なロードマップです。経済、社会、国家安全保障の全てにAIを統合するという国家の強い意志が示されています。

➂AI研究の質と量を生み出す巨大エコシステム
中国のAI研究開発は、政府の強力な後押しのもと、テックジャイアント、新進気鋭のスタートアップ、そして世界トップレベルの大学・研究機関が三位一体となり、巨大なエコシステムを形成しています。それぞれが異なる強みを持ち、相互に連携・競争しながら、中国のAI技術を世界最高水準へと押し上げているのです。

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