熊の話
連日、人の生活圏に出没し、人に危害を及ぼす”クマ”のニュースが後を絶ちません。最近、テレビを始め、一連の報道では、「クマ」と表記していますので、このブログでも「クマ」にします。深刻な秋田県では、自衛隊の応援まで及びました。ここまで、クマが人里に近い箇所で危害を及ぼすことになったのは理由があるはずですが、調べてみると大きく2つあるようです。
①環境変化によるエサ不足
幼少の頃から、日本に生息している2種の熊「ツキノワグマ」と「ヒグマ」はともに雑食ということを習いました。「ツキノワグマ」はドングリとかを食べ、「ヒグマ」は、たまにシャケを食べる大きな動物ですが、どこか愛くるしさを感じる印象でありました。事実、北海道に観光に行った際に、口にサケを加えた彫刻を買った記憶があります。動物園での飼育下においてもニンジンやサツマイモ、生の植物などを与えられていることが多いようで、良く言えば、臨機応変です。春には山菜や草、夏には果実や昆虫、秋には木の実や魚などを食べ、冬眠に備えて体重を増やします。
日本に生息するクマは、暮らす環境によって、食べるものや食べ方にもはっきりとした違いがあり、北海道のヒグマは、明治時代以降の開発に伴い、肉食傾向から草食(植物食)傾向に転じた調査報告もあります。その原因は、鮭漁の活発化やエゾオオカミの駆逐です。狩りが得意でないヒグマは、エゾオオカミの狩った獲物を奪ったり、残された死体を食べたりすることが多かったとされ、エゾオオカミが絶滅すると、大型動物の肉を摂取する機会を失い、植物食にシフトしたようです。
最近、東北地方5県で“クマのエサ”が「大凶作」に陥ったことが明らかになりました。 特に「ツキノワグマ」の主食とされているブナの実の結実状況は、この冬眠に入る前のクマの行動に影響を及ぼしているのですね。
②クマ個体数増加
生息しているクマの個体数がこの30年間、年々増加していることです。これは、1990年春グマ駆除廃止したことが起因しています。クマもヒトも同じ哺乳動物であり、日本は中山間地域が64%を占める「山の国」であります。ゆえに、山に生息する動物たちと里のヒトとの共存社会は、個体数のバランスを崩しているからに他ならないのではと思います。人口減と高齢化は、ヒトと動物の共存ではなく、ヒトと動物の生存競争へと変化を生み出していることを、自覚すべきと思います。
因みに、今年の漢字一文字は、「熊」ではないか?というブログを投稿しましたが、九州にはクマはいないそうです。私は「熊本県」という名前は、熊から来ているものと思っていましたが、もともと「隈本」と呼ばれており、加藤清正が熊本城を築城した際に「熊本」と改名されたことを知りました(17世紀初頭)。「熊」は古来より神聖な動物、力強い象徴とされており、山や自然とのつながりも強く、より威厳のあるイメージを持たせるために「隈本」から「熊本」に改めたと言われています。

