建国250周年の米国に思うこと
7月4日は、米国の独立記念日でした。建国250周年のイベントに賛否が分かれた報道もありましたが、私が気になっているのは、円・ドル為替レートです。
W杯サッカーの決勝トーナメント一回戦で残念ながら日本代表は敗れてしまいましたが、明日のブラジルvsノルウェー戦の”チケジャム”サイトを覗いて見ると、2枚で53万円で売られていました。FIFAも、ワールドカップサッカーで、初めて導入を決定した「ダイナミックプライシング」という仕組みによるものです。
これは一言でいうと、「需要と供給(買いたい人と売りたいもののバランス)に応じて、価格がリアルタイムに変動する仕組み」のことで、航空券やホテルでは昔からおなじみですが、最近は日本のスポーツの観戦チケットなどにも広く導入されています。AI技術が進展した時代を象徴しています。
NYのホテルは1泊6万円、マックは1個1,100円超え
このダイナミックプライス制に加えて、歴史的な「円安」が日本人に追い打ちをかけています。
現在のニューヨーク(NY)のホテル客室平均単価を見てみると、1泊あたり399.15ドル(約6万4,000円)。さらに、身近なマクドナルドの「ビッグマック」の価格を日米で比較してみると、その差は歴然です。
- 日本:530円 VS アメリカ:6.99ドル(1ドル=162円換算で1,132円!)
つまり、アメリカでビッグマックを1個食べるお金があれば、日本では2個以上買えてしまう計算になります。ちなみに、物価のバランスから見た本来の適正レート(購買力評価)は「1ドル=76円」と言われており、いかに現在の為替が異常な状態であるかが分かります。
25年前の感覚とは様変わりした世界
実は私は四半世紀(約25年)前にNYに住んでいた時期がありますが、当時の感覚といえば1ドル=100円〜110円前後でした。ダイナミックプライス制のような極端な価格高騰もなく、今のアメリカの物価は当時の記憶からすると、まさにぞっとする「別世界」です。
この急激な変化のあおりを受けているのが、私たち日本人です。かつては定番だったハワイ旅行も、今や「旅費も現地での食費も高すぎて手が届かない」と、すっかり遠のいてしまいました。
こうした「日本人の海外離れ」や若者のパスポート取得率低下を食い止めるため、最近では政府や自治体がパスポート取得手数料の引き下げや補助を行う動きも見られます。しかし、いくら手数料が安くなったとしても、現地の物価高と円安のダブルパンチがある限り、海外へ行くハードルは高いままと言わざるを得ません。
インバウンド旅行者の気持ち
「行きたい人が多いから価格を上げる」というダイナミックプライス制は合理的かもしれませんが、そこに円安が重なると、日本のサッカーファンや旅行者にとってはあまりにも厳しい現実です。
かつてのように、1ドル100円前後で気軽に世界を楽しめる日がまた戻ってくることを、切に願うばかりですが、逆に言えば、いま欧米をはじめとする海外の方々が、こぞって日本(チープJAPAN)へ気軽に観光にやって来る気持ちも大いに理解できます。

